寮通信

第171回「お盆について」(2019/08/17 國學院大學 1年 徳野 誠)

はじめまして、國學院大學1年の徳野誠です。

8月の中頃ということでお盆の時期になりますね。寮生もこの時期にぞくぞくと和歌山に帰っています。自分も久しぶりの和歌山でゆっくりしていきたいものです。

さてこのお盆、東京では8月の中頃ではないことをご存知でしょうか。東京では7月15日が中心となってお盆の期間となっています。なぜお盆の時期がずれているのかというと、もともと、お盆は旧暦(太陰暦)7月15日に行われていたのですが、明治期に新暦(太陽暦)を取り入れるにあたって月日の数え方にずれが生じたからです。旧暦は新暦より1か月くらい月日の数え方が遅れています。そこで旧暦に行われていた行事を新暦の同じ日にするか、1か月遅れてするかの違いが生まれました。こうして和歌山のように8月中頃にお盆を行う地域と、東京のように7月中頃にお盆を行う地域ができたのです。(下の図参照)

7月15日

旧暦 ⇒         昔の盆

新暦 ⇒  東京の盆   和歌山の盆

7月15日   8月15日

(旧暦と月日が一致)(旧暦と時期が一致)

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なぜこんなにお盆のことを言い出したのかというと、自分の勉強している学問が民俗学だからです。民俗学とは当たり前の習慣を歴史的な変遷と地域間の比較によって日本の歴史と文化をあきらかにしようとする学問です。上に書いたように、同じ国、同じ民族でありながら当たり前と思っていた習慣に地域差があるというのは非常に面白いと感じます。このお盆を機会に、いつもしている行事をあらためて考えなおしてはいかがでしょうか。いつもしていることが新鮮に見えるかもしれません。

補足

お盆の時期が違うというのは、月遅れの話なので常識的な範囲だと感じるかもしれません。その場合は知識の無さをお許しください。もっと民俗学的な話ができるものは墓参りの話でしょうか。自分の家の場合は、墓を掃除して、花をさして、手を合わせるというものです。しかし、石川県金沢市では墓参りすると「キリコ」と呼ばれる提灯みたいなものを墓にある棒に吊っていきます。青森県や沖縄県では墓の前で宴会するという事例があります。

おまけ

写真がないのも寂しいので、この前行った諏訪と越後湯沢の写真を貼っておきます。

※諏訪大社 下社秋宮

※湯沢高原より湯沢町

長文を読んでいただいてありがとうございます。